たくみ先生、今日はどんなことを教えてくれるんですか?
今日は、ウィスパーボイスについて解説するね!!
使いこなせるようになると表現の幅がグッと広がる「ウィスパーボイス」。
囁き声(吐息が混ざったような声)で、切なさ、優しさ、甘さなどを演出することができます。
以下に該当する方は、この機会に是非ウィスパーボイスを習得しましょう!
- ・いつも大声で歌ってしまっている
- ・力強く声を張り上げ過ぎて喉を痛めてしまうことがある
- ・ウィスパーボイスに興味がある
- ・ウィスパーボイスの練習方法を知りたい
- ・ウィスパーボイスを使いこなせるようになりたい
- ・基礎的なトレーニングをやってみたい
- ・歌が上手くなりたい
- ・抑揚をつけて歌えるようになりたい
囁き声や息漏れのことを「ウィスパーボイス」といいます。
英語では”Whisper”と表記し「囁く」以外にも、ひそひそ話をする、こっそり話す、うわさする、耳打ちをするなどの意味があります。
通常の地声(話し声など)と比較すると、地声の成分が少なくなる代わりに息の成分が多くなるため、遠くまで聴こえるような力強い声質ではなく、近くの人にそっと話しかけるような柔らかい声質となります。
歌だけではなく、朗読やナレーションなどにも用いられます。
ウィスパーボイスを取り入れることによって、様々な効果があります。
息混じりの声というのは、甘さや優しさを表現するのが得意ですので、聴き手に安心感を与えることができます。一方でセクシーさや切なさを表現する際にも用いられることが多く、バラードなどでは鉄板の技術と言えるでしょう。
しかし、全てが「一定」となってしまうと我々人間というのは退屈してしまいます。
言葉の情緒や感情を表現する際には、常に「変化」させることが大切ですので、通常の声とウィスパーボイスをうまく織り交ぜながら曲を歌っていくことがポイントです。
実際にウィスパーボイスを使っているアーティストは数え切れないほどおりますが、その中でもイメージしやすいアーティストをご紹介させて頂きます。
男性アーティスト
草野正宗(スピッツ)、玉置浩二、ATSUSHI(EXILE)、Taka(ONE OK ROCK)、井口理(KING GNU)、徳永英明など
女性アーティスト
宇多田ヒカル、CHARA、手嶌葵、Uru、MISIA、Aimer(エメ)、あいみょんなど
ウィスパーボイスの使いどころ
- 声を強く出した後、急に弱くすることで緩急をつける
- 語尾を綺麗にまとめる
- 抑揚をしっかりつけられる
↓ 息を吐いている時(声帯は開いている)
↓ 息を止めている時(声帯は閉じている)
↓ 声を出している時(声帯は開閉を繰り返す/振動している)
声というのは、肺から送られてくる息が閉じた声帯にぶつかることで振動し生まれています。
ウィスパーボイスも声自体は出ているため、声帯は振動しているのですが、通常の地声発声時よりも声帯は薄く引き伸ばされている状態です。
【基礎編①】
1.まずはため息をついてみましょう 。
→ 「はぁーーー」
2. ため息に少しずつ声を混ぜていきましょう。
→ 「はぁーーー ぁぁぁあーーーーー」
※息からだんだん通常の声(100%)にするイメージです。
3. 今度は逆に、声を出してからため息にしていきます。
→ 「あーーー はぁーーーーー」
※通常の声(100%)からだんだん息にするイメージです。
【基礎編②】
基礎編①で行った練習では通常の声(100%)まで出していましたが、この基礎編②では息と声の割合を50%のところで止めて、そのまま伸ばしていきます。
1. ため息に少しずつ声を混ぜていきましょう
→ 「はぁーーー ぁぁぁあーーーー」(50%)
※息から通常の声(50%)まで混ぜたらそのまま伸ばすイメージです。
2. 今度は逆に、声を出してからため息にするまでの途中で声を伸ばしていきます。
→ 「あーーーーーはぁーーーーー」(50%)
※通常の声(100%)から息にしていく途中、50%のところで伸ばすイメージです。
3. その50%の声を継続して伸ばしてみましょう。
→ 「はぁーーーーーーーーーーー」(50%)
【応用編】では音階練習やビブラートの練習がありますので、実際に動画の音声を聴きながらエクササイズを行なってみてください♪
・ウィスパーボイスはたくさん息を使うため、多用しすぎると1曲歌い終わる頃にはヘトヘトになってしまいます。通常の声とうまく織り交ぜながら歌うことがポイントです。
息と声の割合を調整することができる
母音に左右されることなく安定した発声ができる
ビブラートをかけることができる
どのような音の高さにも柔軟に対応できる
曲の中でも自在に操ることができる
息を過度に吐きすぎてしまうと声帯が乾燥しやすくなりますので、適量で行うように調整しましょう。
元々息が多く出てしまう傾向のある方は、逆に息漏れのない声を訓練していく必要があります。
このウィスパーボイスを使いこなすのは、簡単なように見えて実はとても難しい技術です。
息を多くすることで音がフラットしやすく(下がりやすく)なったり、バランスが取りづらく音が揺れてしまったり、迫力がなくなってしまったりと、様々なデメリットも挙げられますので、
まずは単音でしっかりコントロールをできるように訓練し、慣れてきたら曲の中でもどんどん取り入れてみて下さい。
力強く声を出したりウィスパーボイスを出したり、変化をつけながらメリハリを大切にしましょう。
習得には少し時間がかかるかもしれませんが、諦めずにチャレンジし続けていれば、必ずできるようになります!