摩耶
シンガーソングライター
9月19日生まれ。
自らピアノとギターを演奏し作り上げる世界観は多くの人の心に寄り添い、その等身大の力強い歌声は「そのままでいいんだよ。」と語り掛ける。
2018年2月にミニアルバム「あいのうた」を全国リリース。
同年、三浦海岸で開催されているOTODAMA SEA STUDIOや、お台場ヴィーナスフォートでのフェス等への出演を果たす。
2020年3rdシングル「again」「歌っていたい」を2枚同時リリース。
※摩耶 Official Websiteより一部抜粋
〈はじめに〉2020年10月の「again」「歌っていたい」同時リリースから4ヶ月。幅広い層から支持を集めるシンガーソングライター摩耶の魅力と、ライフソングを歌うその理由とは。
“本来の私”を見せられる場所を作ることができた
2枚同時リリース後、変化したことはありますか?
「again」は、会いたくても会えない状況の今、改めてみんなに楽曲を通して言いたかった事だったので、その曲をリリース出来たことは大きかったですね。
ライブが思うように出来ない今だからこそと思いツイキャス配信も始めたんです。そういったこともあって、新曲はもちろん私の過去の作品にも注目して聴いてくださる方が増えました。嬉しいですよね。
今まで私のことをステージでしか観ていなかった方からは、「こんなに話しやすい人だったんですね」って言われます。ステージだとやっぱり強い人ってイメージだったのかな(笑)
配信では、ライブだと時間が足りなくて歌えなかった曲だったり、普段はセットリストに加えないだろうなっていう曲も歌えるので、ある意味、その時々の“本来の私”を出せる良い場所を作れているなと思っています!
「あ。これが自分の歌を聴いて貰えてる瞬間なんだ」と感じてすごく鳥肌が立ちました。
ステージで初めて歌ったのはいつですか?
学生の頃、小中高で吹奏楽部だったんですよ。小学校の時はフルート、中高はホルンを担当していました。だからその時はみんなでステージに上がるという事はありましたが、摩耶としての最初のステージは、今でも忘れない2013年4月です。
あるオーディションのステージでした。会場は満員。みんな歌を聴くというよりは雰囲気を楽しみたくて来たような感じでザワザワと・・・。
その空気の中、私がピアノに座って歌い出したとき、会場が一気にシーンとなって、みんなが耳を傾けてくれた!って思う瞬間があったんです。その時「あ。これが自分の歌を聴いて貰えてる瞬間なんだ」と感じてすごく鳥肌が立ちました。
あぁ、この瞬間をずっと忘れたくないなって。
高校3年生の時、静まりかえった広い教室で担任の先生が聴かせてくれた一枚のCDが、全ての始まり。
今に至るまでに、特に節目となった出来事はありますか。
高校生の時クラシックを専門に学んでいたんですが、3年生になって進路にすごく悩みました。エスカレーター式でそのまま大学にも進学できる状況でしたが、「私本当はどうしたいの?」と自問自答していて・・
そんなときに高校の担任先生の元に、たまたま同じ学校の卒業生のCDが届いていて
「これ、聴いてみるか」って。先生が。
3年生の静まりかえった広い教室で、その当時同じく進路で迷っていた親友と2人でCDを聞いたんです。
クラシックの環境の中にいて、進路もその方向に進む人たちが多い中で、
私もその道に進まなきゃいけないのかな・・・という感覚がその時すごくあったんですけど、その曲を聴いた瞬間に、
そうじゃなくていんだ。自分で選んでいいんだ。私はこういう音楽やりたかったんだって。その時、自分の心がはっきりと見えたんです。
そして親友と練習室でよくお互い相談し合ったり夢を語ったりして。あの時間は本当に尊くて忘れられない大切な時間でした。
今でも彼女は私の夢を応援してくれて、私も彼女の夢を心から応援しています。
それから自分の曲を作り始めたんですか。
実は、昔はカバーばかり歌っていた頃もあったんですよ。
でも高校を卒業して専門学校に通っている時なんですけど、テストでカバー曲を歌ったら、先生に「全然自分の良さが出せていない!」って言われてしまって(笑)
その時のボーカル学科長が「ちょっとオリジナルの曲書いてみたら」って言ってくれたんです。
それがきっかけなんですよ。その時の私自身は気付けていなかった“私の中の何か”を学科長はきっと気付いてくれていたんだと思います。
失恋した時の方がめちゃめちゃ曲が出てくるんですよね(笑)
楽曲は実際の体験を元に書かれているんでしょうか。
自分の感じたことを出来るだけそのまま書いてます。等身大でありたいなっていつも思ってて。
失恋した時とか、めちゃめちゃ曲が出てくるんですよね(笑)
失恋した時って、あの時こう言ってもらいたかったなとか、そうだったらよかったのにとか、それをきっかけに自分で都合の良いように解釈できるじゃないですか。本当にそうだったかは別として(笑)
恋愛も私にとって曲を作るときの大事な要素です。
摩耶さんの恋愛観聞いても良いですか?
男女問わず、自分にない視点を持っている人には惹かれますね。
あとは、笑顔!笑った時に目が笑ってない人とか嫌だなぁ(笑)
私もいろんな経験をして、10代の頃とは違う観点で相手を想えるようになりました。昔は、自分の意見が100%正しいと思っていた時もあったし、自分の思い通りにならないと当たってしまったりしていた時もあって・・・
その時一緒にいてくれていた人たちを傷つけたり、遠ざけてしまったり・・・そんな時もありました。
だからこそ今思うのは、自分の弱さとか、ダメなところも隠さず曝け出せる関係性をつくれる人!つまり、本音で話せる人ってことなのかなぁ。
私自身、相手の弱い部分も包み込める自分でいたいということも、いつも大切に思っています。
私もそうしてもらっている分、私は自分の出来ることであたたかく包み込みたい
そういう、人に対する丁寧さが作品にも繋がっているのかもしれませんね。
「守ってあげたい」じゃないんですけど・・・なんていうんだろう。
振り返ると私もいろんな人に守られてきたんだなぁと感じることが多くなってきたので、それを返していくにはまず自分自身が“あたたかい人”になりたくて。
良い時もダメな時もある。だから、どんな自分でも大丈夫だよ、自分を責めなくて良いんだよって。
そう言える自分にやっとなれたから、だからこそ等身大でありのまま歌っていたいと思います。
「摩耶の人生なんだから、生きたいように生きればいいんじゃない。」という母の言葉
ステージを降りようと思った事はありますか。
何度もありますよ!
自分に自信がなくなることが起きたりとか・・・色々あるじゃないですか(笑)
でもそんな時、いつも母親の言葉を思い出すんです。
母は、私が迷った時「摩耶の人生なんだから、生きたいように生きればいいんじゃない。それがお母さんが一番嬉しいことよ。」って言ってくれたことがあるんです。
そっか、自分がやりたいことをやって、ぶつかって泣いたり笑ったりしている姿が、大切な人の喜びになることもあるんだって。その時すごくハッとして勇気が湧いてきたのを覚えています。今でも、その言葉を思い出すと力が湧いてきます。
カッコ悪い私もそのまま曲にして、「こんなんでも良いんだよ」って伝えたい!
次作のリリースなども考えていますか?
もちろんです!まだまだいきます!(笑)
ライブや配信が終わったあとにファンの方が、曲を聴いてどう思ったかとか、「いつも聴いてるよ!」って伝えてくれたり。
そういう一言ひとことに本当に救われているんですよね、音楽やっててよかったなと思える。
まだまだ私にはその気持ちに呼応してやれることが沢山あるなって思っているので、音源化されていない楽曲も含めて届けていきたいと思っています!
最後に、摩耶さんにとってのミュージジャンの極意とは
誰かを大事にするためにも、自分の弱さも愛してカッコ悪い私もそのまま曲すること。
頑張りきれなかった自分も、頑張っている自分も全部自分!
なかなか一言でいうのは難しいんですが、ぶつかって失敗することも多いけど
自分の直感を信じて、ワクワクやドキドキを大切にしていきたいと思うし、
「声」や「姿」という生身の“ワタシ”を通じて、ありのまま伝えていくことが私の極意です。
〈おわりに〉迷いも弱さも全てを抱きとめて歌い切る摩耶の声は、聴く人の心に深く沁み込む。成長し続ける摩耶のストーリーは、まだまだ始まったばかり。
取材:Noriko Shimada