たくみ先生、今日はどんなことを教えてくれるんですか?
今日は、腹式呼吸について解説するね!!
腹式呼吸・・・腹式呼吸という言葉を聞くとどんなイメージを持たれるでしょうか?お腹で息を吸う?お腹から声を出す?指導者により言葉の表現が異なるため混乱を招きやすいのですが、結論からお伝えするとお腹に空気は入りません!笑 空気は必ず肺の中に入ります。息を吸い込むとき、横隔膜というドーム型の筋肉の動きを使って肺の中に空気を取り込む呼吸法のことを腹式呼吸といいます。正しくは肺に筋肉がないので、「横隔膜を使って肺に空気を送って呼吸する」という言い方になります。
人は1日に約17000回から23000回呼吸をしていると言われており、歌を歌う上で呼吸はパワーの源となります。
①呼吸が安定することで楽に歌えるようになる
②ロングトーンが最後までしっかり伸ばせるようになる
③ピッチが安定する
④高音がコントロールできるようになる
⑤ビブラートや強弱をつけられるようになる
1.腹式呼吸の感覚をつかむために、横になってみましょう。
2.その状態でゆっくり息を吸ったり吐いたりしてみてください。
3.お腹の周りがゆっくり膨らんだり凹んだりしている感覚をつかむ。
4.次に椅子に腰掛け、上半身を折り曲げてください。
※この時、頭を下に下げすぎて頭に血が上らないように気をつけてください!
5.首や肩の力を抜き、手はダラ~ンと下に下げ、ゆっくり息を吸ったり吐いたりしてみてください。
※凹んだお腹が自然に膨らんでくるのを感じながら行ってください。
6.次に、立って息を吐きましょう ( “す” や “つ” などで息を吐く)
7.息を鼻からゆっくり吸う
※横になった時、腰掛けた時と同様の動きができているかどうか確認しながら行ってください。
息を吸うとき横隔膜は平たくなり、息を吐くときは元のドーム型に戻ります。横隔膜が平たくなると、下方向へ圧力がかかるため、内蔵が下へ動きます。その時お腹が膨らんでくるので、お腹で息を吸っているように見えるわけです。
ラジオ体操など深呼吸をした時、胸いっぱいに空気を取り込む感覚がありますよね。あれは胸式呼吸と言って、胸が大きく動くので腹式呼吸とは大きく異なりますが、スポーツをしている時や、身体を動かしている時なんかも、人はこの胸式呼吸をしています。
30秒以上吐き続けることができる
一定に吐くだけでなく強弱もしっかりつけることができる
一瞬で息を吸い込み、長く吐くことができる
瞬間的に力強く吐くことができる
リズムに合わせてコントロールすることができる
息が長く吐けないからといって必要以上に息を吸おうと頑張りすぎないでください。吐ける息の量が増えてくれば、必然的に息を吸うことになりますので、まずは息を吐くことに集中してやってみてください。
腹式呼吸には身体をリラックスさせる効果があったり、息の量やスピードを調節、安定させることができるため、声量や声質のコントロールに適していると言われています。歌は息のコントロールが基本となりますので、呼吸が安定してくると声量が上がり、ロングトーンがぶれなくなったり、ダイナミクス(強弱)や抑揚をつけられるようになります。また、ビブラートやこぶしなどの表現力にもつながってきますので、まずは正しい腹式呼吸のトレーニングを行うことをオススメいたします!