息子の不登校をキッカケに気付いた“本当に大切な事”を伝えたい

プロフィール

塚原久仁子(つかはら くにこ)さん

普段は事務パートとして働き、中学校1年生の息子と小学校3年生の娘を育てながら、AKIRA歌のれん分けグループ「もんとにほ~」の「くーにゃん」、ネアリカアーティスト&ネアリカ講師、ストーリーテラー、キラキラコーディネーターと、4つの活動を行う。

5月に「不登校でも大丈夫!音楽を通して『本当に大切なこと』を伝えるイベント」を主催。

様々な活動をされていますが、歌の活動としては現在どのような活動をされているのでしょうか?

2016年にAKIRAさんの歌の「のれん分けプロジェクト」をきっかけにユニット「もんとにほ~」を結成して、手話を取り入れたステージで栃木県を中心にライブイベントを開催しています。

また、「不登校でも大丈夫!音楽を通して『本当に大切なこと』を伝えるイベント」の開催に向けクラウドファンディングを実施しました。おかげさまで目標金額を達成し、5月に開催予定です。

アーティストとの出会いからイベントを主催する側へ、そしてステージへ。

そもそも歌の活動を始めようと思われたのはどういったことがきっかけだったのでしょうか。

栃木県日光在住アーティストのAKIRAさんとの出会いに感銘を受けライブに通い始め、その後イベントを主催するようになりました。その時に人から感謝をされることが嬉しくていつかはステージにも立ってみたいと思っていました。

AKIRAさんはミュージシャンのほかに画家、作家という顔も持っています。

現在は音楽活動がメインとなっていますが、今後は画家や作家としての活動に重きを置いていくそうです。

そのなかで、魂の歌と言われるAKIRAさんの歌をより多くの人に聴いてもらいたいというご本人の希望により、2016年に著作権フリーで「AKIRA歌のれん分けプロジェクト」というのが始まりました。

それに参加する形で意気投合したメンバーとユニットを結成したことがきっかけで、主催する側からステージに立つ側としての挑戦が始まりました。

音楽経験もなにもなかったのですが、やりたい!という思いが強く、活動を決めたんです。

メンバーは、代表のまりぽん、娘、夫、私、息子です。息子はステージに立ってはいませんが音響や写真・動画の撮影を行ってくれています。

娘は、4歳から6歳まで島田先生がプロデュースしていた「パールキッズ」に所属していましたが活動が終了し、偶然にも同時期に「もんとにほ~」を結成したのでそこで歌を続けています。

島田先生には現在もお世話になっており、月に一度レッスンへ通い発声やライブの映像を見ながら反省会をすることもあります。

始めは、「間違えたらいけない」という思いからステージでも表情が強張って真剣な表情のままの娘でしたが、最近は笑顔でパフォーマンスが出来るようになりメインで歌うことやMCも任せられるようになりました。

息子が不登校になったことから、ひとりひとりの存在を大切にしたいという原点に戻った

「もんとにほ~」の活動以外でもイベントを主催されるということですが、5月に開催予定の「不登校でも大丈夫!音楽を通して『本当に大切なこと』を伝えるイベント」はどういった経緯で開催を企画されたのですか?

「もんとにほ~」の活動を始めて2年半ぐらい経ったころ、息子が中学生になり1ヵ月ぐらいして学校に行かなくなりました。

最初は原因を探り、解決することに全力を注ぎ、無理やり行かせたこともありましたが、そうすることによりどんどん家庭環境が悪くなっていきました。

本人もなぜ学校にいけないのか自分でも原因がわからず、一番つらい思いをしていたと思います。

そこで私は、これまでのAKIRAさんとの出会いや様々な活動を通して得た、ひとりひとりの存在自体が大切なのだという原点に返り、学校に通うことがすべてではない。「行けないんだったらまあそれでもいいじゃん」と気持ちを切り替えるようになりました。

おかげで今では息子も明るい不登校になり(笑)最近は受けられる授業に少しずつ参加できるようにもなりました。

しかし、世の中の人はみんなそんな風に考える人ばかりではなく、将来が心配だと悩んでる方も世の中にたくさんいます。

最近では不登校で悩んだ挙句に親が子供を殺してしまう悲しい事件もありました。

そういう話を聞くと、その時まわりに

「だーいじょうぶだよ!行かなくったって!」

と言ってくれる人が、もし、近くにいたらどれだけ心強いだろうと思ったのがきっかけです。

私は音楽をやっていて音楽に助けられたから、音楽を通して「だいじょうぶだよ、学校に行くことよりもっと大切なことがあるんだよ。」ということを伝えるイベントを企画しました。

その意思に賛同してくれる方が集まって助けてくれ5月に開催が決定しました。

運営費をクラウドファンディングで募ることで、これまでやってきたことが間違いではなかったと再認識できた。

開催に向けた資金を得る手段としてクラウドファンディングという方法を選択されましたが、普段あまり投資する機会のない方にとってはハードルが高いというか躊躇する部分もあるのではないでしょうか。今回クラウドファンディングに決めた理由は何だったのでしょうか?

このイベントをなるべく多くの方に届け、今後も継続して行っていきたいという思いから、入場無料で開催することを決めたのですが、会場費や機材の費用、広告費用などどうしても運営費がかかります。

最初は自腹で出すつもりだったのですが私はお金持ちではないし、運営費の捻出をどうやってするべきか悩んでいました。

その方法の一つとしてクラウドファンディングというやり方があることも知ってはいましたが、当初は「人にお金を頼って何かをする」というのが本当に嫌で、クラウドファンディングについても「自分で何とかできないの?」という考えだったので好きではありませんでした。

しかし、このイベントは多くの方に知ってもらう必要があります。そのためには人の目に触れる機会をたくさん作らなければいけません。

クラウドファンディングという形で発信することにより、私のコミュニティだけにとどまらずより多くの方に知ってもらう機会を作ることができます。

また、キングコングの西野さんの講演に伺った時に「クラウドファンディングはお金の成る木じゃない。自分の信用を元にした投資だ。もちろんプロジェクトの内容も大事だが、その人が信用されているかどうか『あなたがやるのなら』と信用してもらうことが大事だ」というお話を聞いた時に腑に落ち、もし失敗してもこれからの行動の指針になるのではないかと思いやってみることにしました。

ただ、むちゃくちゃ怖いですよ。自分の信用が数字で表れるなんて。

だからもし、誰も投資してくれなかったらだれか骨を拾ってくれと周りに言って回ったほどです。(笑)

最初はなかなか思うように金額も集まらず苦労しましたが、たくさんの方々の助言と援助を受けて、先日ついに目標金額を達成することができました!

今は本当に本当に感謝しかありません。

色んなことをやってきましたが、やってきて良かったという思いと、これまでの自分が目指してきたものが間違ってはいなかったのだという自信にもつながりました。

それだけたくさんの方が応援してくださっていることに、嬉しい反面でプレッシャーを感じることももちろんありますが、私ひとりではなく、共感してくださる方や同じ目線を持った仲間がいるので、仲間を信頼して任せ一緒に作り上げていきたいと思います。

素晴らしいイベントになると信じています。

親子であっても縦ではなく、横のつながりとしてお互いを尊重していける関係を築いていきたい

たくさんの方に広がっていくイベントになるといいですね!最後に、活動の中で大切にされていることや伝えたいことを教えてください。

私は人と人との横のつながりを大切にしたいんですね。

親子であっても縦ではなく、横のつながりとしてお互いを尊重していける関係を築いていきたいと思っています。

それぞれの命として対等でなければいけないし、病気や障害も関係なく心はみな同じ。

そういうことを私自身、家族や周りの方々から教えてもらいながら活動しています。

5月のイベントを皮切りにどんな風に転がっていくかわかりませんが、色んな場所を訪れて不登校の方のお話や不登校の方を支援する方にお話を聞きに伺ったりもしてみたいです。

これからも色々なことに挑戦していき、その時に自分が何を考えるかも楽しみです。

活動が多岐に渡ることもありやっていることが多く見えますが、伝えたいことはひとつで「ただその存在を大切にしたい。」それだけです。

文:Koh Yamasaki