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プロフィール

Kanako(かなこ)さん

千葉県在住 会社員

レッスン歴:5年

創設当初から当校に通い現役の生徒では最長となる。

カナリアミュージックスタジオ主催のニューヨークライヴへも参加。

N.Y.でのライブを経験した元アスリートの社会人シンガー

まず、カナリアミュージックスタジオ企画・主催のN.Y.(ニューヨーク)ライヴに参加した感想から聞かせていただきたいと思います。海外で、しかもN.Y.でライヴをするというのはいかがでしたか?緊張しました?

ライヴをすること自体への緊張はあまりなかったですね。

というのも、講師の音音(ねね)先生がしっかりサポートしてくれたおかげです。

出発前にも発声練習をしてくれ、現地でのリハーサルも順調にできて、いつも通りのルーティンができたことで、気持ちを落ち着かせることができました。

いつもは緊張して自分の声が聞こえなくなってしまうんですけど、そんなこともまったくなく、ステージで歌うことができました。

余裕を持って構える事ができていた?

いえいえ!

現地に到着するまでは、緊張の連続でした。

私は日本で洋楽のカバーを歌うことが多いのですが、日本では発音が若干甘かったとしても許されるところがあります。

でも、今回は本場も本場、現地なので「これは発音ミスれないぞ」というのはありました。

例えば、ひとつの「s」や「t」とかも見逃してこないんじゃないかとか、複数形になっていなかったらバレてしまうんじゃないかという緊張感ですね。

なので行きの飛行機の中でも、歌詞を穴が空くほどずーっと見ていました。

徹底的にやらなきゃいけないと思ったので。

ライヴを終えてみて今の心境はどうですか?

私は今まで自分に自信が持てなかったんです。

人前で歌うこともそうで、練習に練習を重ねてステージに立っても中々自信につながることはありませんでした。

でもN.Y.でライヴをするって、ふつう経験できないじゃないですか。

その経験を私はすることができたし、徹底的に自分を追い込んだことで自信がついたと思います。

私はやったわよっていう自信が(笑)。

そのため、日本に帰ってきてからは緊張することがなくなりましたね。 本当に良い経験ができたと思います 。

Kanakoさんから見たN.Y.はどんな街?

もうとにかく全部がかっこいい街でした。

落書きもかっこいいし、歩いてる人も、そこに汚い物があってもかっこいい(笑)。

イメージとして持っていた、裏に入れば黒人が道端で一個の楽器を使ってすごい声で歌ってる。というのがまさにそうでした。

すごくいい音楽をしている街でした。また行きたいです!

ライブハウスでも「こんな人が?」と思うような見た目がやばそうな人が、めちゃくちゃかっこいいベースを弾いてたりする。すごかったです。

水泳選手を目指した高校時代。大学受験でも挫折・・・

現地ならではの空気感には格別なものがありますよね!では少し過去にスポットをあててお話を伺いたいのですが、歌で活動することは昔から考えていたのでしょうか?

いいえ、そんなつもりはまったくありませんでした。

歌は趣味として好きでしたが、ステージに立って歌ったり活動したりすることを考えたことはなかったです。

父が趣味でバンドを今もやっているのですが、その影響もあってか私は昔から「カラオケがうまい人」であっただけ。

高校時代までは歌とはまったく別の道で、水泳選手としてアスリートを目指し全国大会出場まで果たしました。

本格的に歌を学ぶことになったきっかけは何だったのでしょうか。

これは、少し恥ずかしい話なのですが、大学受験に失敗したんです。

高校生の頃に姉のお世話になっているゼミの先生から、「評価的にも大丈夫だからぜひうちのゼミに来てください」とお誘いをいただけました。それで、私はもう受かったものだと勘違いしてしまったんですね。

面接のグループディスカッションで、あろうことか一言も発言しなかったんです。

私は大丈夫だからみんながんばれと(笑)。

今考えたらバカだなーって思います。後悔しかないですね。

それで一言も発言しなかった私は当然、評価不能という判定で落ちてしまいました。

ただ、このことがきっかけで私が歌を学ぶ出来事が生まれることになったんです。

元アスリートに歌うキッカケを与えたのはトップアスリートの一言だった

第一志望校に落ちた私は、必死で勉強してなんとか横浜の大学に受かることができました。

そして2年生になったころ、ある有名なトップアスリートの方とたまたま出会い、仲良くしていただくようになったんです。

私からするとその方は、現役で活躍されているプロのアスリートで、人前に立ち、実際に結果を出していることもあって、キラキラととても輝いて見えました。

そんな方がある日、カラオケで私の歌を聞いて「本格的にやりなよ」と言ってくれたんです。

現役で活躍されているプロのアスリートからの言葉には、やはりとても説得力があって、それをきっかけに歌の世界を目指し始めることにしました。

その出会いや言葉がなければ歌の活動はもちろん、N.Y.でライヴをするなんて考えられなかったと思います。

今でも本当に感謝しています。

Kanakoさん自身もアスリートを目指した経験があったからこそ、現役で活躍されている方からの言葉がより響いた部分も大きかったのではないでしょうか。その後は具体的にどんなことをされましたか?

本格的にやるなら、基礎からみっちりと学ばなければいけないと思いました。

カラオケは得意でしたが、歌の世界やステージで通用するレベルではなかったので。

私の通っている大学の近くに、大手のボーカルスクールがあったので、すぐに申し込んでレッスンへ通い始めました。


カナリアとの出会いは父親のバンド活動があったから!?

では、カナリアミュージックスタジオはその後に通い始めるようになったんですね。スクールを変えようと思ったのはなぜだったんですか?

通っていたスクールのレッスン内容が、私の求めているレッスン内容ではなかったんです。

私はさっきも言ったように、基礎からしっかり学びたかった。

発声練習であれば発声練習をとことんやりたかったんですね。

でも、通っていたスクールは、1曲を歌えるようにすることが目的のレッスン。

私はカラオケは歌えるけど、それじゃダメだからと思って通い始めたのですが、このままでは、これ以上うまくなれないと思いました。

また、ちょうどその時に、受験に失敗してしまった学校への編入も決まったのでやめることにしたんです。

スクールによってレッスンの指導方法も色々あるのですね。なぜそこから、立ち上げ間もないカナリアへ通うことになったのでしょうか。

私はレッスンに通いながら、少しずつライブハウスのオープンマイクといったセッションイベントに参加するようになりました。

それを知った姉が、父のバンドメンバーの娘で仲良くしていた人に「妹が最近歌ってる」と話したのがきっかけです。

その人は石川さんというのですが、イベントのオーガナイザーをしてたんですね。

そこから私もオープンマイクに出演させていただけることになって、そこで当時カナリアで講師をされていたガリバー宇田川さんと、カナリアの代表だった島田先生もいらっしゃっていたので、紹介していただきました。

それからレッスン内容や金額面など話をして、体験レッスンを受けることに。

体験レッスンでは、最初からガッツリ音階や発声の練習をしてくれ、まさに私の求めていたレッスンがありました。

それがカナリアに決める大きなポイントでした。

歌への情熱と社会人としての自覚

レッスン歴がカナリアミュージックスタジオで最長となる5年目ということで、当校の立ち上げ時代から共に歩まれてきました。Kanakoさんにとってレッスンに通い続ける意味とはなんでしょうか?

私はけっこう飽き性で、勉強とかも3日坊主です。

でも、自分がやりたいことや、目標があることに対しては続けることができるんですね。

カナリアに通いながら、大学を卒業して就職もしました。

今では社会人生活も3年目となります。

働き始めた当初は、いずれ歌一本にしぼり生きていくつもりだったのですが、実際に働いてみると、職場でも「こうなりたい」という目標ができました。

どっちも手を抜けない状態が続いた時期があって、その時はしんどくなり半年ほど、お休みさせていただきました。

新入社員だし、結果を求められる職業でもあるので集中するために。

社会生活への環境の変化や結果を求められる職業となればなおさら大変だと思います。でもたった半年で復帰をされた?

そうですね(笑)。

仕事を始めて職場での目標ができたときに、歌への情熱が学生時代に比べて薄くなっていると感じました。

意欲が減ったというか。

そこで歌以外で他になれるものもなく、会社を捨てる勇気も持てなくなってしまったんですね。

そんな中、職場のみんなでカラオケに行って歌ったときに体が気持ち悪くなったんです。

「こんなのじゃない」って。

そこで改めて、歌に対する気持ちが入り、やっぱりライヴにも出たいということで、再度相談させてもらってお願いしました。

そういう理解があるところもカナリアの良いところです。

Kanakoさんにとってカナリアミュージックスタジオはどんな場所ですか?

私にとってカナリアは、自分への信用を重ねて自信へつなげていく場所です。

また、コンディションを整える場であり、N.Y.ライブなどの貴重な体験を与えてくれる場所でもありますね。

今では1ヵ月レッスンが空くとコンディションが崩れて気持ち悪くなってしまいます(笑)。

私、水泳選手だったこともあって水泳チックに考える癖があるのですが、積み重ねは本当に大事。

積み重ねがあるから、本番の時は何も考えずに出来るんです。

それは水泳も一緒で、練習があったからレースの前に緊張しないで結果を出せる。

ひとつひとつ積み重ねていくことで自分を信用できることってあると思います。

私にはここで5年間かけて積み重ねてきたものと、N.Y.での体験があります。

表面上ではなく本質的な意味で伝わる歌を歌い続けたい

では、今後のことについても教えてもらいたいのですが、これから先、歌とはどのように付き合っていきたいですか?

今は仕事も歌の活動も辞めるつもりはありません。会社も楽しいし、少し融通も利くようになってきたので。

私は自分が好きなようにできるところが一番楽しいんですね。

歌も同じで、私の歌いたいと思う歌を歌うことで伝わるはずだと思っています。

もし、売れることを優先した結果、私が「歌いたい」ではなく「歌わなければいけない」という状態になってしまうと、歌うことはできても本質的な部分で伝えることができなくなると思うんです。

テレビとかに出ることも憧れはありますけど、それより大きいのは口パクやらされるんじゃないかとか、半コーラスしか歌えないんじゃないかとかという不安(笑)。

もちろん、表面上でやることはできるし、精一杯やろうとは思いますが私自身が納得できない。

自分で納得がいかないときって、言い訳を見つけたくなるんですよ。

「これじゃできない、これじゃない、こうじゃない」とかって。

発信することに対して私は責任を持ちたいんです。

だから、これからも自分の好きな歌を歌って、それが聴いてくださる方に伝わればいいなと思います。

その結果、歌で生きていけるのであれば最高ですね!

まず、自分のやりたいことでしっかりやり切れる環境が大切。

好きになってもらうことは夢。

自分が決めて、自分のやりたいことをやれるようにしていくのがゴールです。

それで私のことを好きになってもらえると本当に嬉しいですね。


取材・文:Koh Yamasaki